再び書評になります。この本は仕事をする上で、また人生を考える上でなかなか有意義な本だったと思います。タイトルや本の帯に違わない内容が凝縮して書かれていて、考え方の本質的な転換を得られる人も多いと思います。
しかも2014年出版と比較的新しい本なので、過去の自己啓発的な本を多く読んでいる人にとっても、それらのエピソードを織り交ぜているので、納得感のある読了となりそうです。
話の大筋としては「情報過多で選択肢が非常に多い世の中で、如何にして本質を見抜く力と選択ができるか？」でしょうか？そのことで、「少ない時間（作業量）で成果を最大に出来る」といったことが説いてあります。
エッセンシャル思考のための３つの方向転換
「やらなくては」⇒「やると決める」
「どれも大事」⇒「大事なものはめったにない」
「全部できる」⇒「何でもできるが、全部はやらない」
知らず知らずのうちに、私は上記の３つの左側になっていく癖があります。特に「やれば出来るんだ」とか「あれもこれもやりたい」なんてことはよく考えてしまって、なかなか切り捨てる技術に乏しいです。
本の中では例などを出して、如何にエッセンシャル思考に切り替えることで、上記の嘘から考えを変えられるかに迫っています。私自身納得することが多かったので、参考になりました。
そして面白いことに優秀で、真面目で出来る人のほうが上記3つの左側に陥りやすいのです。個人的にも、今の世の中はやろうと思えばなんでもできる世の中だと思います。海外の僻地などでは、どういった状況かは分かりませんが、少なくとも日本では、そういった環境にかなり近いでしょう。すでにサービス過多ですし、本当はそれほど必要でないもので溢れかえっています。
特に情報なんかはそうで、インターネットでは無数の情報が溢れかえっており、その殆どは不必要な情報だと思います。人が一生かかっても処理しきれませんので、本質を見極めるエッセンシャル思考はより大切になっていると思います。
エッセンシャル思考になるための方策
エッセンシャル思考に向けた「見極める技術」「捨てる技術」「仕組み化の技術」は本を読んだほうが、早くイメージできると思いますので、是非読んでください。ここでは私がこうしていきたいなぁと感じたことを書いていきます。
「ノイズ」・・・大多数のものは無価値である
上記内容は非常に厳しい話だと思います。ただ、結構個人的に感じていることが多いです。例えばツイッターで流れるタイムラインの情報や、ブロガーさんが書く「個人の想い」や「思想的な内容」、これらは私にとっては大多数はノイズだと感じています。
ここで大事なのは、基本的に殆どがノイズだと思う思考です。そういった見方で見ていかないと本質（エッセンシャル）を見抜く力が身につかないからです。なんだか寂しい雰囲気も出てきますが、それぐらいの考え方でないとパラダイムシフトとはいかないと思います。
「トレードオフという考えかた」
選択の中では必ずトレードオフが出てきます。例えば、地方に住むのか都心に住むのか？なんて議論もそうです。地方に行けば物価は安いし、空気は美味しいしなどいいこともありますが、その分利便性は捨てることになるでしょう。都心の場合はその逆です。そのトレードオフの部分をしっかりと理解して、どちらがあなたにとって本質的に選択肢たいか見極める力が重要だと思いました。
住む場所なんかは本には面白いことが書いてあって、「あそこが良いな」とかではなく「ここじゃなきゃダメだレベル」まで場所を考えて選ばないとエッセンシャル思考とはいえないです。
エッセンシャル思考は分かったけど、どうやって少数の重要なことを見分けるのか？
いくつかの重要なテーマに分けて解説していました。「孤独」「洞察」「遊び」「睡眠」「選抜」と言ったテーマです。「遊び」なんかが入っているところが嬉しいところですが、やはり遊びってワクワクします。こういったワクワク感って人生の本質ではないかと思うんですよね。
この本でもエッセンシャル思考が、片付け術を例えにあげていましたが、コンマリこと近藤麻理恵さんの片付け術が「ときめき」を感じないものは全捨ての考え方です。行動に感しても、この考えと似たような感じという読み解きが出来ます。
人生においてワクワクする事って人によって違うと思います。
社会通念（これもノイズ）というものを取っ払って、じっくりと考えると迷わずに生きていけるし、エッセンシャル思考で楽しい人生を送れるかもしれません。
私も特に仕事などでは「提案されたら、とりあえず出来るしやってみる」といったやり方をしてきましたが、そういったものでも簡単に損切り出来るような思考も持ちたいです。
エッセンシャル思考ではかなり厳しいくやることを決めるので、ちょっとぐらいのチャンスでもNo!を押し付ける思考です。少しここまで行くには違和感も出てくるし、意識的に大丈夫か？と思うことも最初はありそうですが、最終的にはそういった考え方のほうが成果が高く出そうだと私も思いますので、出来る限り実践していきたいですね。
こういった考え方をしたことがない人は、一度手にとって見ると面白い本だと思います。一日あれば内容理解まで簡単に読みきれますので、おすすめします。
