ふと、ひょんなところから今の自分には野心が足らないのではないかと、過去に話題になっていた本を読んでみました。せっかくなので書評レビューします。

野心のすすめ (講談社現代新書)
林 真理子
講談社 (2013-04-18)
売り上げランキング:9846位
価格:¥ 799

「野心」というキーワードで自叙伝とともに、最近の若者などに提言している形。

いくつか共感できる部分もあり、いくつかは林真理子さんという人がそういう人だからだろうという点があった。

確かに今の世の中は、「野心」を持たずともなんとなく行きて生きる世の中で、節約術なんかが流行るのも当然だ!なんてところは同じ考えです。私はバブル世代を知らない人間で、新社会人なんて揶揄される世代なので、バブルを経験した世代の方と話すと感覚にズレというか違いを感じることが多いです。

特に今の20代などは閉塞感や必至といった言葉が似合いそうですね。最近の学生は良い意味でも悪い意味でも真面目な方が増えているとか?

本の最初の方に野心の定義を広辞苑で調べた結果が載っていました。その意味は3つで、最初の2つはネガティブな意味で最後がポジティブな内容。確かに「野心」にはポジティブな面と、ネガティブな面が同居していると多います。

私は会社を抜け出し、自分でなんとかしようとしているので少なくとも野心はある方だと改めて感じました。ここ最近、ちょっとぬるま湯感覚というか、子育てなどもあってなんとなく環境の変化に微妙な焦りを感じていたのかもしれません。

「野心」というキーワードでは、過去の会社の先輩だった方を思い出します。

私は一応、東証一部上場会社の設計として働いていましたので、周りは勉強ができて良い大学を出た人が揃っていました。自分のOJTになった人は東工大(東京工業大学)出身で、理系で言えば東大よりも上とも言われる頭がきれる人が多い大学です。

現に私のOJTの先輩は賢い人でした。

私が一日で片付ける仕事なら10分程度でやってしまったり、1ヶ月掛かるものをささっと1日でプログラム作って、同じことするならそれを使えば1日で作業が終わるような事を簡単にやってしまう方でした。

こんなに凄いなら、本気出せは今の何10倍も稼げる人になるのにと思っていましたが、その先輩には「野心」というものが全く無かった。ゆるい会社の環境で、それなりに仕事はこなせるならOKタイプでした。稼ごうという執着心はなく、暇があれば「難しい数学定理の回答を考えていました・・・」「仕事が早く終われば釣りに行くのも好きなようでした」

では、果たして野心があれば、その先輩は凄く稼げて幸せになっていたか?と思えばそうでもない気がするのです。結局、野心ってその人それぞれに備わった量とか、今までの強烈な環境の影響で変わると思います。

 

この本が出版された時代が、あまりにも「野心がなくても生きていけてしまう」時代なので注目を浴びたんだと思います。

 

ハッとする気づきも多く読んでみて良かった本だと思います。野心が多少ある人も読んで納得し、全然ない人は考えなおすというか?これでいいのか?少しは考えてみても良いかもしれません。

 

ただくれぐれも「すすめ」というタイトルは当時の流行的なタイトルの付け方なので、私は「野心」は薦めるようなものではないと思いますね。今の時代には多少、勧めてもいいと思いますが・・・。

 

私は林真理子さんの本とか、人柄などを知らない世代なので、自叙伝的な部分だけは退屈でした。しかもどちらかと言うと女性向けに書かれている本なので悪しからず、まぁ男性が女性向けに書かれている本を読むことも大切だと思います。女性に持てないという諸君!少女漫画とかたくさん読んで知ってるとモテますよ(笑)