久しぶりに、なかなか面白い本を読んだと思ったので書評します。
アマゾンでも売っていますが、私は図書館で借りました。
風格のある硬盤の本で値段は税込みだと1万円以上しますので、無理せずに図書館で借りましょう。
また、新しく文庫化してこの本を3つに分けて出版しているみたいです。私は図書館で借りたので元の本でしたが、今なら新版の文庫版でいいかもしれません。良心的な値段です。
この本を読むまで私も知らなかったので、「本多 静六」という人を知らない人も多いかもしれません。少し要約すると「公園の父」と呼ばれる造園家で、投資家でもありました。
厳しい生活と投資などによる富豪への道を歩んでいて、人生において幸福とは？的なことが上記の本に載っています。もちろんお金の増やし方なども載っていますので、多くの人は「どうやってそんなに資産持ちになったの？」ということに興味があって読みそうです。
文体がやや古く400頁もあるので、読むのが疲れそうですが内容が面白かったので私は一気に読んでしまいました。
人生即努力・努力即幸福
「人生即努力・努力即幸福」というのが本多 静六の人生観です。多額のお金を持っていても幸福になれるわけではないということを身をもって体感している人の言葉は説得力があります。
- 子供に簡単に資産分与すると子供が不幸になる
- 病気などで本当に困っている時以外に、安易に友人や親戚に金を貸すとお互いに不幸になる
などなど、自分でお金を作る努力が出来なくなる方が不幸だというのです。このあたり、私もいつも考えているのですが、いざとなると孝行心のつもりで間違った方向に行きやすいので戒めになりました。
自分に関しても思い当たることが多くありました。
「努力」することは最初は慣れないかもしれないが、慣れてくるとなんでもなく次第に楽しくなってくる。その結果は収入などに何れ現れることもありますが、小銭を少し手に入れただけで「努力を怠る」とすぐに幸福感がなくなります。
「お金なんてたくさんあれば、仕事したくない。」自分が一生暮らせるお金を稼げば、後は悠々自適にセミリタイアなんてことも一部では流行っているかもしれませんが、果たして本当にそれで幸福な人生だったといえるのか？その答えが身をもって証明してくれている本だと感じました。
・金持ちへの第一歩は倹約
ある程度のお金を持っても、あまり派手にお金を使わずに倹約が身についている人は多いと思います。私もその一人で「もう少しお金持っているでしょ？なんで、そんなに細かく倹約するんですか？」と私がどれだけお金持っているか知らない人からも言われることが多いです。
余計なお世話ですが、自分でもたまに余裕が多少出ていると感じつつも倹約体質はいつまでも抜けないと思っていて、ただ、それで本当に良かったと感じています。倹約や努力する体質というものが、出来上がらないとなかなか幸福なお金持ちにはなりにくいのではないか？と漠然と思っていたのですが、その答えも載っていました。
ついでにいうと、お金の良い使い方も色々書かれていて、自分の使い方もまだまだ修正しないといけないなぁと思いました。まだまだ、お金を使う目標が甘いです。
人生計画
この本は新刊で3冊に分かれているように、3部作になっていて「私の財産告白」「私の体験社会学」「人生設計の秘訣」となっています。どの内容もすべて面白いです。
しかも人生の最大の悩みと思えるかもしれない「金」をテーマに進んでいきますから、いろいろな本を読むよりはこの本をじっくり読んで内容を理解してから他の本を読むと、他の本の内容の読み方も変わってくるかもしれません。
最後の人生設計では「結婚」「子育て」「家庭生活」「仕事」「老後」といった人生の大きなイベントについて深掘りしており、人生に計画を持つことが大切だと述べています。
近頃「結婚できない人達」や「結婚なんてするもんじゃない」と思っている人々も多い（私の身の回りにもかなりいる）ですが、「結婚はどうしたら良いか」なんてことも載っています。
いい人なんていないとハナから考えるのではなく、世の中には必ず理想の結婚相手がいて、それを強く追い求め探し続ける姿勢が大切なんだなと感じました。
人生を10年、20年といった大きなスパンで分け、それぞれの節目での人生設計をもう一度練り直し、後はそれに向けて細分化し、日々努力していくことが幸せの秘訣なんでしょう。頑張っている人が、なぜあんなに頑張れるのか理由がわかった気がします。
「努力即幸福」はいい言葉だと思います。
